母と祖父の木版画
日中の強い日差しも和らぎ、夕方になると草むらから響く虫の音に涼しさを感じます。
8月も終わり。。
母の入院先へと病院通いだったため流れるように早かった夏。
ずっと元気だった母が5月頃から食事が摂れず体の調子を崩し、6月に入院。。もちろん元気になって帰ると誰もが思っていた。
たった3ヶ月の間に病は進行し。。母は、すっかり衰弱してしまった。
「どうして?。。何で!。。は、もう止め。。」
今週、緩和病棟に移った。
うんと御婆ちゃんになった母と手を結んで歩くの。。夢だったのに。
今、いっぱい結んでおこう。
昨年お空に旅立つまえのクロからのメッセージを思い出した。
「一つ一つ楽になっていくんだよ」って。
本当そんな気がする。
ベットの傍らに飾ってある祖父の木版画を見ては、小さな声で「お父ちゃん」って呟く母。
優しいお父さんだったのでしょうね。
祖父の絵には、いつも柔らかで伸びやかな女性、そして胸には何かを抱いている。
8人の子供を育てながら(母は上から3人目)独学で自由に表現をたのしんだ祖父。
戦前戦後の混乱期にあって信州の地で白樺教育に携わり、一人一人、特に女性の豊かな生き方と自由な精神を願ったらしい。
木版画はその時の同人誌「光」の表紙を飾ったものですが。。
少しも古さを感じない。
どんな時でも夢があり 夢を持ち続ける ことの意味が未来へのメッセージとなって込められている。
それは、残した8人の子供たちにも重なっての想いだったのでしょう。
こんな素敵なメッセージを伝えてくれて。。ありがとう。
最近のコメント